フィギュアスケート最近観たものの個人的感想☆日本の選手☆女子
フィギュアスケートのアメリカ大会、カナダ大会、フランス大会を見てのごく私的な感想、海外選手編に続き、日本の選手のことを書きます。
まず、
先の『海外選手編』で説明不足だった点を補てんしておきたいと思います。
私はオカルティー趣味がありますので、これまでの経済中心だった左脳社会から、これからはもっと精神的なものに価値がおかれる右脳社会へと移行していくという、オカルティー界の考え方を指示しています。
また、それを少しずつ肌身に感じています。
経済や地位、数字よりも、個々の感覚や生きがい、心の満足が求められていく時代へ… 20年も前なら馬鹿にされていたこういう考え方も、若い世代の人から自然に身に付けて行っているように思います。
今はまだ、
上の地位に居る人たち(地位や数字を信じて生きてきた世代の人たち)が健在で左脳社会の価値がそのまま幅を利かせていると思われます。
そこへ勘の鋭い、誰かの作った価値観に魅力を感じない新しい世代が育ちつつあるけれど… ドドンと立ちふさがる左脳社会・みたいな?
そういう感じで、私の考え方は人からいくぶん一般社会からズレております。はい。
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↑上では新世代の人について少しふれましたが、
紀平梨花さん、これまた新世代をさらにブラッシュアップしたようなすごい人が現れたなと感心しています。
(新聞に載っていたこの写真キレイ)
何がすごいかって、『ジャンパー』と『抒情派』のタイプでは分けられない。高度なジャンプも出来るけどそれだけじゃない。抒情的かと言うとそうでもないのだけれど、でも従来の情感じゃなくて、何かさっぱりとした根明な舞踏家というか…。自然や地球の鼓動と連動して舞っている感じ?『自然界の舞踏家』みたいな。
メンタルも超新世代という感じ?(紀平さんの親友による証言)
落ち込んでも翌日にはケロッとしているという話は聞いたことがありましたが、失敗しても引きずらず気にしない。羨ましいメンタルです。昭和のジャパニーズからは想像できない世代が現れた感満点です。
彼女が今後どんなふうに成長していくのか興味があります。
願わくば、数字にばかりこだわる左脳人間に彼女の天真爛漫さが潰されないことを祈る…
(動画のどの部分を切り取っても仕草の美しい不思議。頑張ってる感が前に出過ぎず、音楽や自然の気の流れと呼吸が合っているような統一感です)
振り付けもちゃんと彼女に合ったものでいい感じです。
彼女には今はまだ地上にいきる生々しい女の情念だとか、ドロドロしたものはあてがわないで欲しいと思ふ。
(ヘアアクセサリーきれいでしたね)
逆に、
地に足のついた女の色香や俗っぽい魅力をヘルシーに体現できるのが樋口新葉さんだと思ふ。北米女性のような力強い魅力がちゃんと示せているのも良いところで、だからこそいつも彼女にピッタリのプログラムが作られるのだなと。
振付師の人も、自分の魅力をちゃんと打ち出せている人のほうが、魅力的になれる振り付けをしやすいですよね。
ケガの影響はどのくらい…と思っていたけれど、思っていたより良かったという印象でした。力強いジャンプだけど、上手くいくときれいに流れていて「音楽を聞いていたらいきなりフォルテシモ‼」みたいないきなり感が出ないのも良い感じですね。
気合充分なメラメラ感も心強いです(笑)
ただ、素人の意見ですが、失敗したときにあからさまに残念な表情と動きをしてしまうことは、観る人の集中力を削いでしまうのと、自身の力も削いでしまうのではと思います。
人は悲しいから涙を流すわけですが、涙が流れたと自覚すると余計に悲しくなって涙が流れるといいます。自分の身体の反応に心もつられてしまうわけですね。
ということは、「あ~失敗した!」という反応を体でしてしまうことで、心もよけい「失敗感」を感じて力を失ってしまうと考えられます。
観る人のためにも自分のためにも、失敗には余韻はつけず、すぐさま次の動きに移って、粗を最小限に出来るようになれば、もっと演技全体の完成度が上がると思われます。個人的意見ですが。
樋口さんのように、
良いプログラムに恵まれているなと感じるもう一人のスケーターは坂本香織さん。
今季の『マトリックス』は本当に坂本さんのカッコよさがめちゃめちゃ活きている!
先シーズンまでは、坂本さんにはドラマチックな音楽と振り付けが似合うと思っていたのですが、こういう未来の、無機質な世界に生きる強い女をここまでカッコよく演じられるとは…。 途中、曲調が変わる辺りからシビレました(*´ω`*)カッコい~い
良いプログラムに恵まれているというのもあるけれど、それぞれのプログラムの主人公の世界をものにする才能がすごいなと。お若いのにアッパレです。
私の大事だと思う『感動する要素』とは、
●情感の体現 と ●その人に合っている ことのふたつです。
いくら実力があっても技術が完璧でも、その人に合っていなければ魅力は半減。逆に、たとえば歌でも、少々音程がずれる人であっても、情感がこもっていて、その人にピッタリな曲であれば感動と「名曲」の誉れが付くと思うのです。
で、
成績的には坂本さんは 総合4位だった? でもそんなの関係ねぇ~!私はこれを観られたというだけで大変満足いたしました。やはり記録より記憶です。
白岩優奈さんは、
先に体調不良ということがあったわけですが、私の見る限りでは、いま彼女の出来ることを出来る限りにやっているのではないかと、シンプルに感じました。
国際大会の表彰台には乗れなくても、本田真凛さんみたいに世間の注目を浴びて騒がれなくても、コツコツ自分の出来ることを重ね続ける…みたいな。
いきなりドーンとトップに躍り出てくる衝撃の選手ではないけれど、毎年ちょっとずつ何かが進化しているのだと思ふ。今年は、去年より女性らしくやわらかな表現になったのではと。
タイプ的には田中刑事さんに似ているのかもしれません。
演技の話とは 関係ないけど、彼女はグラマラスですね。
ちょっとゲデバニシビリさんを思い出しました。
さて、
現地のタクシーで衝突事故にあった本田真凛さんですが、只今ジャンプ見直し改造中とのことで、去年に続き、本調子はまだ出せない様子。
フィギュアスケートの国際大会に出る選手の人たちというのは、ほとんどが大変な努力家の秀才タイプだと思うのですが、本田さんは数少ない天才タイプなのではと私は思っています。持って生まれた天性の魅力と女性性がある。努力では決して真似できない彼女の個性が魅力的なオーラやしぐさとなって自然に現れている。羨ましい話です(笑)
しかし、
そんな彼女にもジャンプ至上主義の波(?)が押し寄せる…
彼女のような可憐でエアリーなタイプの個性には「大技ジャンプができなければ上位は無理!」の流れはきついと思ふ… 点数と順位を上げるために無理にジャンプにこだわってしまったら、彼女の生まれ持ったステキな個性を発揮できなくなってしまうのでは。個性を失ってまで得る点数や順位とはいったい何ぞや?
私事ですが、美術系の高校へ通っていた私にはザックリ言うと「美大への進学」を考えるか「就職する」かの2つの選択しかなかったわけで。で、例えば美大を受けることを考える場合、受験したい美大の好むタッチ(描写の技法)というのがあって、そのタッチになるための、これまた『●●美大向きの研究所』に入ってタッチを矯正するわけです。
要は、個性を持ってして受験に臨むのではなくて、その美大が好むものになって受験しなければならないというわけです。その美大が好むタッチというのはどれもガシガシと力強く強弱を付けて濃ゆく描くタイプで、モワ~ンと緩いタッチで綿のように描く私の個性とは真逆でした。
で、どうしたかというと、
『自分の個性を矯正して大学に入る』というそれが馬鹿々々しすぎて、そっちはやめました。まあ、就職した会社もすぐに無くなっちゃったし、今の私は底辺中の底辺だし何者にもなっていませんが、それでも断言できます。自分の個性を矯正したりしなくてよかったと。
話はそれましたが、今の採点の傾向なんかのために選手の個性を矯正させるようなことは馬鹿らしいと私は思ふ。例え今は点数にならない傾向だとしても、可憐でエアリーな演技を観ることが好きな人もいるわけで。
ほんと、表彰台を2部門用意してくれないかなぁと思う次第です。
北京五輪までにこれなんとかならないだろうか?
同じく?
可憐な個性ゆえに高度ジャンプ時代に苦戦している宮原知子さんが、中国大会で見せたFSの素晴らしい魂の演技には涙が出てきました。私は村主章枝さんの演技に毎回、じ~んときて涙がにじんでいたのですが、それを久々に思い出しました。
(こちらはSPの画像ですが)
宮原さんは先シーズンからすごく情感が出てきたなぁと思っていましたが、そのきっかけは何でしょう。もしかして五輪で使用した曲のピアニストの方と直接会うことが出来たことがきっかけでしょうか。音の作り手とつながることで、音楽への愛着や理解度が増したのでしょうか?今回のシンドラーのリストも同じピアニストの方のものだとか。
とにかく、
小手先のテクニックの芸術を越えて魂の演技に昇華されたのを観て、この上ない感動の時間をもらうことができました。実際の表彰台では2位だったかも知れませんが、私の中の表彰台ではぶっちぎりの1位です。私は満足しています。
宮原さんの一番の功績は、真面目な積み重ねの中からでも抒情性が生まれるということを示したという点では? 真面目すぎると芸術の世界では伸び悩むというのが定石だと思っていたので…
前の前の世代ぐらいに中野友加里さんというスケーターがおられたことを覚えていますか?彼女は真面目で、その真面目さが演技によく表れていたと思います。でも真面目ゆえに、目線や仕草をどんなに頑張って研究して取り入れても抒情性にはならなかった…
中野さんに限らず、真面目な人はテクニックは上達しても、叙情性になることはないのだなと全体的に見て思っていました。
それを、真面目を絵に描いたような努力家の宮原さんが、国を越えて人を感動させる情感の世界を創り上げるとは… 私の中ではもうそれだけで奇跡です。
ジャンプが云々とよく言われていますが、むしろ宮原さんの繊細で可憐な世界の流れに「いきなりフォルテシモ‼」な高くて幅のあるジャンプが出現したらぶち壊しになってしまうので、今以上のジャンプはつけないで欲しいぐらいです( ´~` )
もうひとつの表彰台『表現力部門』希望。
う~ん、コネコネ書いていたら女子選手だけの話だけで膨大になってしまいました。
男子選手の記事につづく↓
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