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158.氷凛

 
切りあがり
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切り紙作品158の氷凛(ひょうりん)です。
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永井路子氏の小説・『氷輪』の、
『氷輪』という美しい言葉のイメージからインスピレーションを得た
 
・・・はずでしたが、
下描きの段階で輪にすることをやめて四角くしちゃったので
氷の輪にはなりませんでした。
 
なので、
『氷輪』ではなく、『氷凛』に。
 
 
 
 
このところなかなか
ゆっくりと本に向き合う時間を取れず、
結局まだ上巻の後半までしか読んでいないのでした・・・
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切り紙のほうが先にできちゃった。
 
 
最初は鑑真(がんじん)についてきた弟子が主人公なのかと
思って読んでいましたが、
今のところ、
女帝を陰で操った藤原仲麻呂という
黒い天才官僚が主役っぽいです。
 
そのうち女帝の心を奪った
怪僧・道鏡(どうきょう)も登場するようです。
 
 
確たる主人公はないのかもしれません。
 
 
奈良時代の陰謀渦巻く朝廷と、
その黒さとは対象的な、
貴い志で渡日した僧侶たち。
その対比がみせる
人の世の矛盾を
永井氏は同小説で
クールに描いているようにも見えます。
 
 
 
ところで、
今回の切り紙作りには、
この時代の朝廷に生きた人たちを彩っていたと想われる
正倉院の宝物のデザインからアイディアを得ています。
 
 
正倉院の宝物は、
これだけ世界中のデザインを自由に目にすることの出来る
現代の私たちにすら感動を与える力があって、
それを
1300年~1400年も前の人が
これらを生活の中に置いていたということが
なにより驚きです。
(皇族・豪族にかぎられていたとはいえ。)
 
しかし、
このような美しいものに囲まれていた人たちの、
現実の生活
陰謀や戦、暗殺が身のまわりに次々と起こる
安寧(あんねい)というものとは
程遠いものだったわけで・・・。
 
 
正倉院の宝物を所有していた聖武天皇ですが、
後半、気がおかしくなっていたとも言われています。
 
藤原一族の傀儡(かいらい)として祀り上げられながら
縛られ続け、
跡取りにと考えていた(とも考えられている)皇子さえ
急死しています。
その時、皇子と一緒にいたのは
藤原の一族の者。
皇子は、藤原の一族ではない娘との子どもであったのでした・・・
 
聖武の皇后は光明ですが、
光明は藤原の娘です。
 
永井路子氏のとる説では、
光明は藤原の娘として聖武を監視し続ける役割であった…と。
 
 
都から飛び出して
新しい都を造りだしては、またそこを飛び出し、
また新しい地で都を造ろうとする聖武の迷走ぶりに
聖武の魂の叫びを見るようです・・・
 
世にも美しい宝物に囲まれながら
恐ろしいほどの不自由と空しさに魂を病んでいた
奈良の時代の天皇
正倉院宝物の美の後ろには
そういう暗闇が見え隠れします(苦笑)。
 
 
 
それにしても、
奈良時代をあらわす表題として(?)
『氷輪』
という言葉を編み出した永井氏はすごいなとおもいます。
 
それは、
静かな夜の水辺に
薄く薄くはった氷のように
冷たくもろく、空しい美しさをイメージさせて、
この華麗かつ危うい時代をうまく表現しているのではないでしょうか。
 
↑あくまでも私個人の妄想ですが・・・。
 
 
 
伸ばした手の、
ほんの指先がわずかに触れただけで、
ピン
と、音もなくひび割れ、
暗い水底にたちまち沈んでしまう
美しい薄氷。
 
そういう感じにできたら良いなぁと
今回の切り紙を作りました。
 
 
説明が長すぎますね(笑)
 
 
 
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