京都・大原④三千院・壮大にして静寂
『京都・大原③三千院・まさに大人の旅行』の続きです。
さて、
〈宸殿〉と、そこから見える〈有清園〉を抜け、
向こうに見えていたこの建物の所まで行きました。
建物の表にまわってみると、お、なかなかに立派な建築物。
たくさん人が居て見えにくかったですが、
ここには三体の仏像が鎮座しておられたようです。
〈往生極楽院〉という建物だそうで、
やはりここは応仁の乱の戦火を免れていたのですね。
建物に上がって観ることもできるようでしたが、
そもそも仏像が大きいので近くで見なくてもいいかと思い、
ただ遠目に眺めたり、カメラのズームで見たりしました。
〈弥陀三尊〉というそうで、
これまたなにげに『国宝』とのことですΣ(゚Д゚)
戦や戦争がなければ、
ほんと、日本にはこういう歴史の古い物が
たくさん残っていたでしょうに・・・
ちなみに、
あと3日ほど日本の降伏が遅かったら
京都にも原爆が落とされてたんですよね。
そう思うとぞっとしますわ。
日本には計11発の原爆を投下予定だったそうな。
そんなことになっていたら
もう日本には何の文化も現存していなかったかも…
やばかったぁ~。
そして、三体の仏像が眺めておられるであろう
お堂正面の景色がこれまた素晴らしい。
スコーンと静寂極まりない空間。
大木が押し上げる高い高い空間に、
地を這う密度の濃い瑞々しい苔のじゅうたん。
日本独特の湿度感が空気を湿らせていて
自分の中の日本人DNAが何かを懐かしむのです。
もしかして空気にかすかな音があるのだとしたら、
この静寂の向こうから聞こえてくるのではないか?
という気さえしてきます。
耳をすまして・・・。
景色の向こうに、まだ奥につづく階段が見えます。
次の空間にはどんな視界が広がるのだろう?
と、つい気持ちが高まります。
密な苔の海原に木漏れ日が模様を描く。
西洋では水を感じる演出として
庭に噴水を配置します。
噴き上がる水を見て直接水の恵みを感じるのでしょう。
いっぽう日本の庭にはししおどしが配置されました。
水が竹の中にたまると排出され、
その反動で竹が石にあたってカコーン、というやつですね。
そう、水を見るのではなく音で感じる。
そして同時に、時の流れを想う。
それが日本人の感性。
↑という話が教科書に載ってたのを思い出しました(笑)
この苔のじゅうたんに木漏れ日が模様を描くという手法も、
きっと地を見ながら太陽の恵みを想う、
そういうことなのではないかと思うのです。
見上げてしまえば庭は見えません。
が、
庭に差し込む木漏れ日が見えれば、
まっすぐに庭を見ながらにして日差しも感じることができますね。
あぁ、日本庭園の文化、すごすぎます
(×_×;)
三千院の想像以上の実力に
ただただ圧倒されたのでした。
さて、
お次は風景の向こうに見えた階段を上がりますね。