古い写真おもしろい
古い時代の写真、ちょっと興味があります。
撮る方じゃなくて、見る方ですけど。
大正時代だとか、昭和初期だとか、
自分の知らない時代のそのままの空気感を切り取った古写真。
ちょっとした時間旅行を楽しめますよね。
(明治時代の長崎。明治でもまだちょんまげだったんですね。)
(『明治・大正・昭和 古写真』より)
ところで、
母方の祖母がもう高齢で、老人施設に入っています。
もう半分ボケちゃっているので、家の整理もできません。
で、
叔父さんが祖母の家のものをどんどん整理・廃棄しています。
もう、けっこう問答無用でズバズバ捨てているそうです。
祖母の昔の写真も捨てられるのだろうか?
その前に、それらを見たい!
と、
何年も前から親戚にもお願いしているのですが、
皆さん忙しくて相手にしてはくれません。
それで、先日
祖母の様子をみに里へ帰った母に、
古い写真があったら見せてほしい・とたのんでおきました。
母も向こうでかなり忙しかったらしく、
ゆっくり写真を探す暇はなかったようですが、
何とか数枚の写真を発見して持って帰ってきてくれました。
やっと古写真を見ることができた!
というこの喜びを、
勝手に皆さんと分かち合いたく(笑)
写真をちょっとここにUPしたいと思います。
(もう被写体の皆さんご存命ではないから良いかな?と思って。)
大ばあさんと、おばあさん姉妹の写真。
昭和初期ぐらいでしょうか。子供も直立で写るものだったんですね。
昔は大変な時代で、みな波乱万丈です。
大ばあさんは戦地に赴いた夫と共に海外に居ましたが、
夫は間もなく病気になり、
大ばあさんが一番下の子を妊娠中に亡くなってしまったそうです。
長女のおばあさんはまだ3歳でした。
それでも何故か、
おばあさんは父の最後の時のことを覚えていて、
床に横になっている父が
「この子らは(わしが死んだら)わしの顔も覚えておらんのだろうな」
と言ったのだと話していました。
何も分からないおばあさんは父に近づこうとしましたが、
当時、肺病患者が亡くなる時の息を吸ったら肺病がうつる、
と考えられていたようで、
おばあさんが近づかないように
お医者さんが後ろから引っぱっていたそうです。
(戦地で亡くなられた大じいさん)
大ばあさんは結局20代の若さで2度も夫の葬式をあげたとかで、
結婚したいという男性なども現れたようですが、
もうこりごりだ・と、それらを断り、
しかし働くことの出来ない当時の夫人なので、
家に伝わる家財などもどんどん質に入れて、
何とか娘3人を学校にまで行かせたようです。
しかし運命は残酷です。
一人で育て上げた娘の一人は、
十代の若さで結核をわずらい、亡くなりました。
(大ばあさん)
そして、
もう一人の娘は女学生のころ、
彼女に一方的に恋心を抱いた軍人に連れ去られてしまいました。
そのまま彼女はその軍人と結婚しますが
(連れ去られてしまったらそうするしかなかったのだと思います。)
戦争が終わっても軍人のプライドを捨てられなかったその夫は
働くことをせず、
4人の子供を女手一つで育てなければならなかったようです。
なんとハードな人生・・・
(晩年の大ばあさん)
おばあさん自身も人生ハードモードでしたが、
ここでは割愛でございます。
(ひな祭りの写真。昔のお雛さんは大変立派ですね。
写っているのはどなたか分からないと母は言っていましたが、
大じいさんの前の奥さんではないか、とのこと。)
(誰か分かりませんが、お正月に親戚が集まった席の写真ではないかと。
大正時代でしょうか)
(これもどなたか分かりませんが、昭和天皇ルックが
時代を感じさせますね。)
(これもどなたか分からず。
しかし充分に時代を感じさせてくれる写真です。)
なんとびっくり!5代前の大大大ばあさんの写真が!
どう考えても江戸時代生まれです。すごい。
この大大大ばあさんの話もなかなか興味深いです。
旦那さんがお仕事で全国津々浦々に配属されていたようで、
それについていっていたこの大大大ばあさん。
当時の女性としては知見が広くなったものと思われます。
しかも、長寿でありました。
なので、
分からないことがあったら、このおばあさんに聞こう!と
いろいろな人が訪ねてこられたそうな。
物知りおばあさんですね。
(この写真だけ装丁が立派ですもん。)
他にも〈硝子盤の写真〉?
などがたくさんあったはずなんだそうですが、
それらはどこに行ったか分からない・と。
もしかして、捨てられ・・・
父方の家系も相当わたし的には興味があって
ご先祖さんたちの写真を見てみたいのですが、
残念ながら父は本家と仲が悪く、
祖父母がなくなってからず~っと疎遠に。
とてもじゃありませんが、
「写真見せて」なんて訪ねられる関係ではありません。
残念です。
子供のころに、
お仏壇の上に先祖代々の遺影が飾られていたのをちらっとみた、
それしか記憶がありません。
軍服を着て馬に乗っている人の写真とかもあって、
今おもい返すと、興味をそそられるのですが・・・
どうも、
いま亡くなりつつある人たちの近辺の整理をしている人たちは
昭和の生まれだからか?
明治・大正・昭和初期の写真などを
「ただ古い物。汚い。捨てよう」
と考えがちのようですが、
ちょっと待って下さい、
その写真、
この後にはとっても貴重な歴史資料ですよ!
どうか、その価値を見失わず、
後世に残しておいてくださいね!