親戚と。☆ショパンはナルシスト?
お葬式だとかコンサートだとか、
このごろ親戚と顔を合わせる機会が多々あります。
先月のことですが、親戚が
出演するコンサートの音合わせを自宅でしていて、
それを聴かせてもらいました。
生の音でピアノ(歌)を聞ける贅沢✨⭐️
ピアノ、私はぜんぜん弾けませんが、聴くのは好きです。
音楽にはうといですが、
クラシックのピアノ音楽を聴いていた時期はあります…
(その程度です。)
んで、
親戚に「ショパン弾いて!」
とリクエストしました。
なんか一時期ショパンにはまっていて、
貧乏ながらCDでショパン全曲を買い集めたのでした。
(ショパン、とか、CD買い集める、とか見事なまでの素人様式)
とくに夜想曲の20番をしつこく聞いていた時期が…。
(曲のセレクトもこれまた素人様式そのまんま)
Ashkenazy plays Chopin Nocturne in C sharp Minor (No.20)
(誰にでも聴きやすいアシュケナージ。素人らしいセレクト✨⭐️)
で、リクエストへの親戚の返答が衝撃。
「ショパンはナルシストだから嫌い。」
「え゛?」
え゛・え゛・え゛ぇ~???
それでもちろん聞き返しましたよ
「ショパンのどこがナルシストなの?」
親戚「(わざと分かりにくいところを作っておいて)
この先は君たちが考えたまえ・っていう感じのところ」
・・・と。
私は聴いてるだけだから分からなかったけど、
弾く人からしたら
ショパンにはそういうハッキリさせない
ぼかしたような部分があるの?
べつに芸術家がナルシストなのは
なにもマイナス要素じゃないと思うのだけど、
とりあえず自分の中で
ベスト・オブ・ナルシスト(in ピアニスト)の
リストを嫌いか聞いてみました。
イケメンで
女性ファンにキャアキャア言われてて、
自画像では12㎝もあった指を自慢げに見せつけ、
どーだ俺はこんなすごいのが弾けるんだぞと
「超絶技巧練習曲」を作るリスト(笑)
自分のきょうだいは
「リストはナルシストやから嫌いや」と、
言ってました(男の嫉妬?)
(時代を越えて同性を嫉妬させるリストはある意味グレイト。)
でも、親戚いわく
「リストはいいの。」
と・・・。(?)
なぜリストのナルシストよくて、ショパンは駄目なんだろう…
で、かわりに
ショパンにはまったあと、男らしい力強さのある
ベートーヴェンのピアノ音楽に気持ちがスライドしていき、
聴いていた時期がありました(笑)
(素人趣味から素人趣味へ移行しただけだという。)
そして、生演奏で聞いて改めて感じる。
テンペスト、かっこえぇ~~~~.。.:*☆
特にこの曲が好き!というわけでは無かったけれど、
何とも言えない華…。
ショパンのそれとは違う、華。
ドイツ人らしく堅物な感じもあるんだけれど、
何だろう、
愚直でありながら燃える様な赤、いや、紅いバラ。
ベートーヴェンの場合、
庭園に咲く赤バラじゃないんですよ。
暗闇を背景にして咲く、艶やかな紅バラ…
みたいなイメージなんです。
赤いバラって庭園にあると
ひたすら華やかな花じゃないですか。
それが一転、
黒背景になると
赤バラは紅バラになって
何とも言えない情熱と色香を
かもしだすじゃぁないですかっ!
ベートーヴェンって
黒背景の紅バラ。
そのベートーヴェンの「黒い背景」って何?
それは
届かない愛や切なさ、報われない想い。
愚直でかたくな。深い失望感。
それでも歯を食いしばって生きた
『何か』への情熱…だろうか。
そういう人間らしい苦悩が、
男らしい旋律の裏に潜む艶やかさとなって
時代を越えて人の心をゆすぶる名曲の数々を生んでしまった!
…とか、勝手に解釈してました。
とくに、2:53-3:05 辺りの旋律に
この上ない華やかさと色香を感じまくりです。
同じ旋律が何度も繰り返される。
でも、同じではなくて、
少しずつニュアンスが変えられている。
そういうのが聞く人を中毒にさせるのだと思ふ。
何でこんなすごい作曲家が
二百うん十年も前に生まれたんだろう。すごか。
そんなわけで、
うっとりしているのでした。
(ちなみにテンペストの意味を調べてみたら嵐。暴風雨。動乱。
という意味でした。たぶん過去何十回も調べてる(笑))
ちなみに、
ベートーヴェンの謎の遺書の解明を試みた
映画『不滅の恋 ベートーヴェン』も
特にお気に入りの映画の一つです。
この映画、
もうちょっと話題になってもよかったのにと。
ベートーヴェンの人生、
創作していた各々の曲とその時のベートーヴェンの心情、
「本当に愛していた人」・・・
監督の洞察は深いと思います。
あ~・また観たくなってきた!
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ついでに、
よく聴いていた当時の一番のお気に入り、
ピアノソナタ 第23番 3楽章 「熱情」も
こっそり貼っておきたいと思います↓
Pollini Beethoven Appassionata 3
何という情熱・・・!(熱情だけど。)
きょうだいとはな~んも趣味も気も合いませんが、
ということだけは一致し、驚きました。
それだけいい曲で、
曲調が「The ベートーヴェン」なんだと思います。
そういえば、
ベートーヴェンの「月光」はよく演じられてると思うんだけど
(先シーズンの坂本香織さんも「月光」でしたね)
この名曲中の名曲である
「熱情」を演じる人があまり居ない
(誰も居ない?)
のはどうしてだろう?
やっぱラストのあの激しさで死んじゃうから?
うん。死んじゃうな。
あの怒涛のラストを本気で振り付けしたら
翌日のエキシビションに出演不可能になるにちがいない(笑)
(親戚もベートーヴェン弾いたら
『何かがすごく削れて消耗する』と言ってました。)
いいや、それだけじゃない。
「熱情」を演じるには
男らしい力強さと、比類ない情熱と、
そしてなにより”色気”が必要なのだ!
(超絶体力も。)
き・き・き・きっと、
だ・だ・だ・誰も、演じられまいっっ‼
(誰かやってたらごめんなさい(笑))
深夜に入り、
だいぶ頭もおかしくなってきたので
反省して、ラフマニノフ貼りつけてお開きにします。
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲 第1番 ,Op.1 1. 第1楽章
pf.古海行子:Furumi,Yasuko
な・なんという素晴らしいピアニストさんなんだっっ‼
ちょっと作曲家にはこだわりありげな親戚ですが、
「ラフマニノフはしびれるよね?!」
と言ったら
親戚・母「しびれる‼」
と無条件で同意してくれました。
(何故か母も声を合わせて(笑))
誰をもうならせるラフマニノフ(?)
グレイト。